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レコード 外周と内周の音の差を検証してみた [ターンテーブル]



レコード盤は、外周と内周ではまったく再生の条件が異なります。




と言っても、トラッキング角度の事ではありません。

「針」に対する「溝」の線速度の話です。

レコードは、外周と内周では、当然ながら直径が異なりますので。
針に対する、溝の速度が異なる訳です。

ちょっと計算してみましょう。

30cm盤  33-1/3  回転に於いて、
リードイン溝を除いた、外周部の直径を29cmほど、
リードアウト溝を除いた、音声が収録されている内周部を15cmほどとしますと、

外周・・・29cm×3.14(円周率)×33.3(1分間の回転数)÷60(秒)≒1秒間に約50cm

内周・・・15cm×3.14(円周率)×33.3(1分間の回転数)÷60(秒)≒1秒間に約26cm

という事で、外周と内周では、針に対する溝の線速度に約2倍もの差があるわけです。
録音テープの速度が異なるのと同じですね。

内周に行けば行くほど、カッティングもトレースも、条件がキツくなるのです。
いわゆる、「内周歪み」の原因になるわけですね。

これは当然ながら、リニアトラッキングの機種でも一緒。

内周歪みの改善には、トラッキング角度だけでなく、総合的なチューニングが不可欠です。
内周と外周の音の差が少ないほど、良くチューニングされたシステムと言うわけですね。

ちなみにCDは線速度が一定です。CDは内周からスタートして外周へ向かいますので、
内周では回転が速く、外周では遅くなります。
CDに書き込む際、最初と最後で、モーターの音が違いますね。
書き込み始めは「ブィーン」とお祭り騒ぎですが、最後は何やらおとなしくなりますね。
あれはそういう訳です。


さて、検証してみましょう。レコードを2枚用意しました。メジャーな大看板ですが。
というか、同じ音源が外周と内周に、別の盤に収録されているケースって、なかなか無い
のです。探せば有るのでしょうが。面倒なので、思いついた手近な盤をピックアップ。
あくまで我が家の収蔵盤の場合です。

そういえばBEATLESなどは色々と編集盤がリリースされていますから、比較試聴には良い 
かもしれません。と思っては見たのですが、BEATLESって、内周とか外周とかそれ以前に
盤による音の違いが有りすぎると思うのです。東芝音工と東芝EMI、東芝音工赤盤と黒盤、
東芝音工のオデオン盤とアップル盤とか。
英国盤ではパーロフォンでも黄色と黒で全く違います。黒でも時期によって色々。
パーロフォン盤は、プレス国によっても違います。東南アジア盤が意外と良かったり。
シンガポール盤イエローの MEET THE BEATLES とか。ところで余談ですが、サージェントペパーズのイエローシンガポール盤、ぶっ飛びの高音質でビックリです。ご興味のある方はどうぞ。(いずれの盤も、私的所蔵に由来する個人的意見です)


閑話休題。話を元に戻します。


左はオランダ盤、右は日本盤。いずれもPHILIPSの企画もの。


レコード 内周 外周 (4).JPG



左のオランダ盤では、B面の最終溝に、皆様ご存知の、あの有名な曲が収録されています。


レコード 内周 外周 (6).JPG




日本盤には、B面の最初に収録されています。

レコード 内周 外周 (5).JPG


いずれも同じ音源です。
オリジナルサウンドトラックでは無く、作曲者がデジタルで再録音したものです。



内周の音です。
アップロードの都合上、mp3に圧縮しています。

レコード 内周 外周 (2).JPG







外周の音です。


レコード 内周 外周 (3).JPG






オランダ盤と日本盤、という時点で条件が異なるので、
比較の意味が無い、と言えばそうなのですが。


外周の方が明らかにクリアですね。最も良く分かるのは曲の後半でしょうか。
全体的にストレスがない感じです。ブラスの抜けが気持ち良いです。
冒頭、ドカーン!の合間に聞こえるグロッケン。キラキラと透明な音ですね。

内周はやはり閉塞感がありますね。グロッケンも分離がいまひとつ。

盤そのものの差かもしれませんけど。(^▽^;)





アームのトラッキング角は、内周で合わせるようにしています。
これが一番のように思います。最も条件がきつい場所で合わせれば、それ以外ではRは緩や
かで、カーブも緩くなりますから。
あ、写真は厳密に合わせた状態ではないですよ。撮影の演出上、それらしく乗せただけ。
実際には、再生音を聴きながらチューニング、あちこち調整します。


レコード 内周 外周 (1).JPG


余談ですが、テクニクスのリニアトラッキングの場合は、エラー角を検出しながら補正しな
がら、というジグザグの、尺取虫的な動きでアームが進んで行きますので、エラー角は常に
ゼロではありません。テクニクスがリニアトラッキングを採用したのはエラー角の問題では
無く、ジャケットサイズに収める為の必然だった訳。これ誰でもご存知の事ですね。


別の見方をすれば、横(左右)方向の支点は常に動いているから不安定、という事です。
でも、それなりに良い音で聴けてしまうのがテクニクスのすごいところとは思いますが。
まぁその辺が、SL-10は純正以外のカートリッジを使った場合に良い音がしない、という
現象を招いているわけですね。あとは回路上の理由により、実はアース線が必要ないとか。
なぜダイナミックバランスを採用したのか、とか。ダイナミックバランスと、スタティック
バランスは全く違うというか、似てもいない、非なるものです。設計の目的が違うのです。
同じ針圧が懸かっていれば同じ条件、という訳ではないのです。これ以上は言いません。



やはりアナログのピュアオーディオに於いて、アームの上下左右を支える支点は、高感度で
揺るぎないものが良いかと思います。この考え、何十年もブレてません。



最後までありがとうございました。m( __ __ )m



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まめぞう

カッティングに由来する、元々ダメな盤もあります。(^▽^;)

by まめぞう (2017-07-29 08:46) 

Shino

こういう比べ方があるんですね。
カッティングレベルはどれくらい違いましたか。

by Shino (2017-07-29 13:15) 

tetsupc2

こんにちは!
いや~勉強になります。シングル盤が音がいいのは45回転で一曲にトレースする高回転と距離(長さ)が長いからと言いますね!
LPレコードでもアーティストはこのアルバムで特に重要視する曲は一曲目に入れたりしています。例えばビートルズの英国盤プリーズ・プリーズ・ミーはポールが当時お気に入りだった『アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア』をアルバム冒頭一曲目に入れています、それに比べてジョンの『ツイスト・アンド・シャウト』は音的に不利なB面のラストに入れています。本当かどうか分かりませんがプリーズ・プリーズ・ミーの録音はたった1日で全曲録音したらしくその時ジョンは風邪気味で喉の調子が悪くガラガラ声だった為のど飴を舐めながら録音していた為本来の声が出せず渋々アルバム冒頭の曲はポールに譲ったとか・・・
でもアルバムラストの締めは譲らないのがジョンらしいですね…
しかし、今ではポールが発する冒頭の『ワン・ツー・スリー・フォー』から始まるプリーズ・プリーズ・ミーはビートルズ時代の始まりを予感するそんな曲となったような気がしますね、だっていきなり『ワン・ツー・スリー・フォー』から始まる曲ってインパクトありますよね・・・
あ~また話がソレてしまいました("^ω^)・・・
by tetsupc2 (2017-07-29 17:04) 

せんぷうき

まめぞう様
お久しぶりです。
私の大好きな夏がやって来ました!

さて、さてです
21世紀に発売された「レット・イット・ビー・ネイキッド」は最後の曲はスローバラードです。

ソフトがレコードの時代ならば聴覚上の音質はスローな曲でごまかせるのでこれで正解というか普通の制作サイドが考えることでしょうね。

しかしオリジナルは「レット・イット・ビー」のB面の最後に「ゲット・バック」をわざわざ持ってきています。
テンポの早い曲ですよね。
聴覚上で「アラ」を感じるはずです。

しかしフィル・スペクターは「あえて」そうしました。
奇人変人殺◯者である天才の彼は「ゲット・バック」でアルバムを閉めたかった。
「ビートルズ」という歴史的プロジェクトのバンドの歴史的アルバムである「レット・イット・ビー」の芸術性をそれによって高めたかった。
私はそう思っています。

まめぞう様のブログを拝見し徒然なるままに書いてみました。

(・∀・)


by せんぷうき (2017-07-29 18:15) 

まめぞう

☆shino様
コメントありがとうございます。

カッティングレベルですが、聴感上は同じレベルのように感じられます。PCでデジタル化していますが、録音レベルを変えなくとも、ピーク値はほぼ一緒でしたので。

レコード盤のバンド幅を実測してみたところ、外周で25mm、内周ではなんと、まさかのたった17mm!

オランダ盤 フィリップスのカッティング技術、恐るべしです。

すみません、これ記事中に書こうと思っていたのですが、皆様のご反応があればという事で、織り込み済みでございまして。^^;

この度は反応してくださりありがとうございます!(^▽^)/

by まめぞう (2017-07-29 18:30) 

まめぞう

☆tetsups2様
勉強になるって・・・(^▽^;)

すみません、いい加減なブログですので、どうかお手柔らかに願います。(^▽^;)

プリーズ・プリーズ・ミーがA面の最後なのは、シングルで出したからいいや、って事なんでしょうかね?
いま冷静に聴きますと、この曲って売れるべくして売れてる気がします。

曲中の、リズムの変遷が素晴らしいと思うのです。Last night~ の歌いだしは8ビートのシンコペーション、Come on~ はラテンというか、カリプソ風味のR&B調。で、I don't want to stand~ に至ってはチャチャチャです。

当時とすれば、画期的な、新しい音楽だったのではないでしょうか。^^

by まめぞう (2017-07-29 18:53) 

まめぞう

☆せんぷうき様
コメントありがとうございます。

いや~、夏がやって来ましたね~!^^

レット・イット・ビーに関して、フィル・スペクターは良い仕事をしたと個人的に思っています。でも、この辺の評価は分かれるところですよね。

実は、このアルバムで一番好きなのは、I've got a feeling なんです。他の曲はほとんど聴きません。というか、最近この曲しか聴いて無いですねぇ。

Don't let me down のようなグルーヴ感がたまらないのです。

ところで現在、我が家周辺は夕立の真最中です。すっごい雨と雷。

どか~ん!と夏ですねぇ~!(*゜▽゜)ノ

by まめぞう (2017-07-29 19:23) 

Buji

いやーいい音ですね。内周ver.も良かったですけど外周ver.はさらに素晴らしい!音がキラキラ!
レコードの宿命というか、交響曲でクライマックスをいい音にする為に、内から外に向かって再生するレコードとかあったような・・・

(ELOのザナドゥとか)メイン曲が最後にあって「それは音質的にどうなんだ?」みたいなアルバムがありますけど、アーチスト側からするとアルバム作品として最後に向かって盛り上げていくわけで、その点ではCDの方が音楽作品の容れ物として優れてるのかな、などと思ってしまいました。

by Buji (2017-07-30 09:21) 

まめぞう

☆buji様
ありがとうございます!^^

なんか、うまくいっちゃったみたいな感じでせうか?(≧▽≦)
いやいや、フィリップス盤、恐るべしです。

そういえば、昔はレコードの内周は「捨て曲」みたいな扱いをされていた事がありましたよね。

CDは容れ物としては優れているというご意見、賛同いたします。
これは物理的にそうなのだから当たり前ですよね。

悔しいけど(えっ、何が悔しいのか?^^;)。

そこをなんとかレコードで凌いでやろうじゃないか、という、どうしようもないオヤジの意地というか・・・
 
もう、ただのダメおやじでございまして・・・( ̄▽ ̄;)

by まめぞう (2017-07-30 19:36) 

たいへー

A/B面の1曲目が音が良いと聞きますね。
だからシングル曲は1曲目が多いのかしら???
by たいへー (2017-08-02 10:05) 

まめぞう

☆たいへ~どの!
おっしゃる通りかもしれませんね!^^

ちょっと色物(えっ?^^;)ではございますが、つぼイノリオ氏のアルバム、「金太の大冒険」に於きまして、代表作の金太の大冒険、そして最大の問題作(笑)である吉田松陰物語を、それぞれA/Bの一曲目に収録、その他、曲によって同氏は「LP用の水増し曲」と、ライナーノーツで公言してはばからなかったという・・・ヾ(≧▽≦)ノ

でも、我が家にあるレコードで思いつくだけでも、大名曲がアルバムB面の最後に収録されているものって、けっこうあります。

THE WHO の 「無法の世界」とか
TODD RUNDGREN の 「たったひとつの勝利」とか
ユーミン の 、「経る時」とか
杏里 の 「サマーキャンドル」とか

特にサマーキャンドルの再生には苦労します。ってか、いまCDで聴いても、そんなに良い録音では無いような気がします。ちょうどバブルの頃で、アナログ衰退期、デジタルはまだ黎明期で未成熟。ホント混沌としていましたから。コメントありがとうございます、色んな事思い出して、遠い目になっちゃった!(*^_^*)


by まめぞう (2017-08-02 20:30) 

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